製造現場での活躍が期待されている産業用ロボットですが、その種類はいくつかあります。
いくつか種類がある中で、ロボット導入を行いたい作業に対して適切なロボットを選んで行くことが重要です。

産業用ロボットの種類

リンクとは物と物を繋げる部分のことを指しますが、産業用ロボットに置いてリンクとは動力を伝える部分のことを指します。このリンクが直列でついていればシリアルリンク型のロボット、並列でついていればパラレルリンク型のロボットと呼びます。

シリアルリンク型のロボットは更に細かく分けることができ、座標軸型と多関節型に分けることができます。
座標軸型のロボットには直角座標ロボットや円筒座標ロボット、極座標ロボットがあります。一方で、多関節型にはロボットアームと呼ばれる垂直多関節ロボットや、スカラロボットと呼ばれる水平多関節ロボットが含まれます。
下記で表にまとめています。


【産業用ロボットの種類】
・シリアルリンク型
 ・座標軸型ロボット
  ☆直角(直交)座標ロボット(直進ジョイント3つ)
  ☆円筒座標ロボット(回転ジョイント最低1つ、直進ジョイント1つ)
  ☆極座標ロボット(回転ジョイント2つ、直進ジョイント1つ)
 ・多関節型ロボット
  ☆垂直多関節ロボット(ロボットアーム)
  ☆水平多関節ロボット(スカラロボット)
☆パラレルリンク型

☆がついているロボットについて、それぞれが得意な作業について解説します。


直角(直交)座標ロボット

直角(直交)座標ロボットとは、直進ジョイントを3つ持つロボットです。
3つの直進ジョイントが直角に接合されていることから、直角(直交)座標ロボットと呼ばれています。回転座標が無く、高精度の位置決めに向いていますが、設置面積と比べると作業範囲が小さくなります。ガントリーロボットというのはこの直角(直交)座標ロボットに含まれ、スライド可能な門型の3軸で位置決めするロボットのことを言います。
構造がしっかりとしているため、重い物の搬送等にも対応できる構造です。

円筒座標ロボット

円筒座標ロボットとは、回転ジョイントと直進ジョイントがそれぞれ最低1つ以上あるロボットで、直角(直交)座標ロボットよりも接地面に対して大きな範囲に対応することができます。一方、円筒座標ロボットは回り込みを必要とする作業には向いておらず、定位置での搬送作業等に向いています。

極座標ロボット

極座標ロボットとは、回転ジョイント2つと直進ジョイント1つを持つロボットです。円筒座標ロボットに比べて更に広い作業空間を確保できますが、位置決めの三軸を動かす中でロボット自体の姿勢が崩れるため、姿勢を保持する作業が複雑になります。

垂直多関節ロボット

垂直多関節ロボットとは、回転ジョイントを3つ以上持つロボットです。設置面積に比べて非常に大きな稼働範囲を持つことが特徴です。また、回り込み作業なども得意とし、溶接作業などでも頻繁に使用されているロボットです。

水平多関節ロボット

水平多関節ロボットとは、水平な回転ジョイントが2つと、直進ジョイントを持つロボットです。水平方向での自由度が高い一方、垂直方向への自由度が低い構造となっています。組立作業や盛付作業等を得意とするロボットですが、比較的安価で省スペースでの導入ができるため、様々な業界で導入されています。

パラレルリンクロボット

複数のリンクが並列に実装されているロボットで、動きはクレーンゲームをイメージするとわかりやすいです。アクチュエータを協調して動かす必要があり、これまで紹介してきたロボット以上に制御が複雑になります。可搬重量は小さい物の、移動速度が速く、精密な動きを得意とします。化粧品の包装や、食品の検品作業等にも使われています。

メリットデメリット主な用途
直角(直交)座標ロボット・高精度の位置決め
・重量物の搬送
・作業範囲の狭さ検査、溶接
円筒座標ロボット・直角座標ロボットよりも設置面積に対する作業領域が広い・回り込みが必要な作業には不向き搬送
極座標ロボット極座標ロボットよりも設置面積に対する作業領域が広いロボットの姿勢保持が困難溶接
垂直多関節ロボット・稼働範囲が広い
・回り込み作業が可能
・他のロボットに比べて高価溶接、搬送、組立
水平多関節ロボット・水平方向での自由度が高い
・省スペースでの設置が可能
・比較的安価
・垂直方向の自由度が低い
・高い精度が求められる作業は不向き
盛付、組立、箱詰め
パラレルリンクロボット・移動速度が速い
・精密な作業が得意
・可搬重量が小さい
・制御が複雑
梱包、検品

※用途は一例です。

いかがでしたでしょうか。
ぜひご自身が思い描く作業に適したロボットを選定していただければと思います。