QC(品質管理)とは

QC(Quality Control)とは、商品の品質を顧客のニーズを満たすレベルで維持する管理手法のことです。

「管理手法は、役職者や管理部門の担当者だけが理解すればよい」と思われがちですが、実はそうではありません。

品質管理は製造現場で働く人はもちろん、全社員が実践することが大事です。全社的品質管理(TQC)の一環であるQCサークルは、社員が小規模なグループを作って改善活動を推し進めることを目的としています。

QCサークルの活動は、「QCストーリー」という手法に基づいて進めていきます。今回のコラムはQCストーリーの具体的な中身について解説します。

QCストーリーとは

QCストーリーは問題を解決するためのフレームワークです。QCストーリーに基づいた改善活動を進めることによって、一定の成果を上げられる仕組みになっています。

品質管理においてフレームワークといえば、QC七つ道具を思い浮かべる人も多いでしょう。QC七つ道具が問題の発見や解決のために使われるのに対し、QCストーリーは問題がない状態を標準化することを目的としています。

品質管理の最大の目的は製品の品質を安定させることです。QCストーリーには作業標準書やQC工程表を作成し、製造プロセスを定着させる機能があります。

また、QCストーリーは解決までの筋道がわかりやすくまとまっているため、QCサークルのように複数人が集まって改善活動をするときに、手順を共有化できる利点もあります。

QCストーリーのステップ

QCストーリーは、以下の7つのステップで構成されています。

1「テーマの選定」
取り組むべき問題を明確にする
2「現状の把握と目標の設定」
データを収集して客観的に現状を把握し、目標設定をする
3「活動計画の作成」
チーム内で役割分担をしてスケジュールを立てる
4「要因の解析」
問題発生の原因を追及する
5「対策の検討と実施」
ECRSの原則を使って対策案を練り実施する
6「効果の確認」
データを取って効果を測定する
7「標準化と管理の定着」
標準書を作成し、問題が再び発生しないようにする

テーマの選定

第一ステップの「テーマの選定」とは、取り組むべき問題を決めることです。

製造現場では日々さまざまな問題を抱えています。例えば材料ロスや稼働ロス、エネルギーロスなどです。しかし、すべての問題について一度に対処することはできないので、優先順位をつけなくてはなりません。

また、問題を感覚で捉えずに客観的・定量的に評価してリスト化する必要もあります。

そこで、まず不良品発生による材料ロスやチョコ停による稼働ロスなどをパレート図で算出します。

パレート図にすれば問題をリストにできるのでテーマを決めやすくなり、金額ロスの多い問題から着手できます。

現状の把握と目標の設定

「現状の把握」では、問題のばらつき具合を数値に示して定量的に評価します。例えば不良率や機械の稼働率などのデータを収集し、管理図やヒストグラムにしてばらつきを確認します。

この段階では原因の追及はせずに、現状を把握することだけを行います。大事なのは「現地・現物・現認」の三現主義に立って、現場で起こっている問題をよく観察することです。

取り組むテーマに対して「項目・期限・目標値」の3点を設定し、「何を・いつまでに・どれだけ」実行するかを明確にします。目標値を設定するときのポイントは、「損失額を○○万円削減する」や「不良率を○○%改善する」などの具体的な数値に落とし込むことです。

活動計画の作成

活動計画は「要因の解析」から先のステップを誰が、いつ着手するのかを具体的なスケジュールに作成します。

QCサークルにはさまざまな部署の人間が集まるため、限られた時間のなかで最大限の成果を上げるために役割分担と進捗管理を行うことが重要です。

進捗状況はガントチャートに示すと一目でわかるので、実施するステップと担当者を決めて日程表を作成します。担当者は一つのステップを1人で実行するのではなく、ステップリーダーとして参加者を取りまとめて、皆の意識向上を図るとよいでしょう。

定期的なミーティングを行い、予定と進捗状況とのギャップが明らかになったときは、活動計画の見直しを図る必要があります。

要因の解析

要因の解析には特性要因図を使って、問題に関わっているすべての要因を洗い出していきます。

要因を考える際には4M「Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(手順)」の視点から、作業手順の落ち度や、材料の質に問題はないかを漏れなく指摘することが大切です。

解析には、特性要因図のほかに「なぜなぜ分析」も活用しましょう。なぜなぜ分析とは、問題が「なぜ起こったか」を5回以上追求して掘り下げていくメソッドのことです。

特性要因図やなぜなぜ分析で挙げた要因が、本当に問題を引き起こしているのか確認するには、原因と結果の関係がわかる散布図を作成するとよいでしょう。

対策の検討と実施

要因が判明したら対策を検討します。対策を打つ際に陥りやすいのは追加型の改善をしてしまうことです。

追加型の改善とは、検査員を増やすダブルチェックや、確認作業を一つ増やして作業ミスや不良品を出さないようにする対策のことです。問題を予防する効果はありますが、追加型の改善は作業者負担の増加につながります。

対策を考えるときのポイントは、追加型の改善をしないことであり、ECRSの原則をもとに対策案を作成します。ECRSの原則とは、作業手順の「排除」「結合」「交換」「簡素化」の4つを基準に改善する考え方です。

効果の確認

対策を実施したら効果を確認するために、対策前と同じ条件でデータを収集します。例えば対策前のデータが特定の機械や1週間という期間を対象としたものなら、対策後のデータも同条件にして比較します。

また、効果の確認は数値として示すことが重要です。不良率や作業工数の削減により、損失額がどの程度改善されたかを数字で示すと会社の経営面での貢献度がわかります。

標準化と管理の定着

標準化と管理の定着は「歯止め」とも呼ばれており、対策前の状況へ後戻りするのを防止するためのステップです。

歯止めには、作業手順書を改正して作業の標準化を図るのが効果的です。さらに、日々の製造データから管理図を作り、ばらつき具合を監視して管理の定着を図ることも大切です。

まとめ

問題を改善するのは簡単なことではありません。問題が常態化していればいるほど解決の難易度も上がります。

QCストーリーは問題を可視化して解決するまでの流れをシステム化しており、初心者でも手順を追えば成果が出しやすい管理手法です。ぜひ自社のQCサークルや品質月間での取り組みに活用してください。

(画像は写真ACより)