提案類型A未活用領域における導入実証・FS事業 (補助金上限額:導入実証3,000万円、FS 500万円)
三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)又はサービス産業におけるロボット活用であって、これまで当該分 野における活用が進んでこなかった阻害要因を明確に特定し、これを解決するためのロボット導入実証やFS (Feasibility Study:実現可能性調査)を行う計画を対象
補助事業者(企業名)コスメディ製薬(株)
補助事業者(所在地)京都府京都市
SIer(企業名)(株)三菱システムサービスファスト(株)
SIer(所在地)大阪府東大阪市,大阪府大阪市
タイトル次世代マイクロニードル化粧品の高度精密生産へのロボットの導入
企業規模中小企業
業種製造業(化粧品)
用途ハンドリング 組立
導入の主な目的生産性向上
概要難しい生産工程を手作業にて生産していたマイクロニードル化粧品製造にロボットを導入。
扱い難い粘着製品等の取扱いを工夫し、ロボットの導入で生産性の向上を実現。

概要②マイクロニードルの製造工程は1)原料ヒアルロン酸 等の溶解→2)注型→3)注型板乾燥→ 4)微細針 シート脱型→5)組立→6)包装 の6工程からなり、その中でも上記4)、5)の工程が最も重要である。ヒアル ロン酸からなるマイクロニードルシートは軟らかく、薄い シートであるため機械による取扱いが困難であり熟練 した人手に頼っていた。自動化に当たっては、微細な 針を傷つけることなく組立てることが必要であり設計と 事前評価を繰り返して本機製造に至った。
本機の試運転により、初期目標性能が確認され人員 削減を実施しても十分な製造量確保の目処を得ること が出来た。マイクロニードルシートは、顔に適用しヒア ルロン酸を皮膚内へ浸透させる化粧品であり無菌性が 重要である。自動化によリ人の製造プロセスへの関与 を少なくすることが出来、無菌化にも有利となった。
本機を十分に活用し、現在国の内外で高まりつつあ るマイクロニードル化粧品の需要に応え世界に飛躍す ることをめざしたい。
導入前微細針を傷つけがちなプロセスは熟練者が作業
導入後ロボットが型からワークを取り出す
ロボットがケースを投入しテープを貼る
ワークとケースを貼り合せる
導入ロボット(種類) 垂直多関節ロボット
導入ロボット(メーカー)安川電機、三菱電機
導入ロボット(型番) GP7、RV-2F-D
労働生産性
単位:倍
4
人数
(導入前)
8
(導入後)
単位:人
2
労働時間
(導入前)
7
(導入後)
単位:時間
7
生産量
(導入前)
10000
(導入後)
単位:個
10000
その他効果衛生環境が良化
投資回収年
単位:年
3.2
事業規模
単位:百万円
48.4
効果(年あたり)労働生産性:6名減(20.8万円×12×6
=1500万円/年)
ロボット導入のきっかけコスメディ製薬株式会社は従業員数が約50名の化粧品を生産している会社です。マイクロニードルという 微細針により、皮膚外部に塗布するのではなく、皮内に直接ヒアルロン酸等の有効成分を投入する製品を 開発・上市しました。このような化粧品は世界的に見ても例がなく、当社独自で一から製造方法を開発し、 実際の製造を確立していきました。製品は非常に微細でデリケートな為、専ら人の手によって製造する方法 で生産してきました。 最近、このマイクロニードルによる化粧品の効果が広く認知されるようになり、販売数 が飛躍的に多くなり、熟練者の養成も一朝一夕には難しく、人手で生産することが困難になってきました。
マイクロニードルパッチの金型からの取出しについては、人手でやっている作業を、試作装置を作成してみる と、ロボットを使用すれば何と機械化できる見通しがつきました。この試作装置を作成してもらったのが、以前 から種々の装置の製作を協力してくれたファスト㈱様で、装置の設計、製作をお願いすることになりました。
マイクロニードルパッチを販売できる包装形態にする為には、マイクロニードルパッチを収納するケース、その 中にどのように収納するか(組み立てるか)が大きな問題でした。収納するときに使用する粘着テープは取 り扱いが難しく、以前から粘着テープに関する、ロボットを用いた他の機械を開発協力いただいていた三菱シ ステムサービス㈱に装置の設計、製作をお願いして、多関節ロボットや単軸ロボットを組み合わせて、設計し ていただきました。
ロボット導入を終えて金型からの取り出しに付いては、多関節ロボットの先端に繊細なワークを把持するチャック装置を取り付け ました。作業者が手作業でする動きを模倣させて、セットした型からワークを取り出して、トレイに順番に並べ るように動作させました。動きの模倣は、もっとも熟練した作業者の方法に合わせて動かすようにしました。
これにより、熟練した作業者による、根気の要る細かい作業が自動化され、作業の効率も4倍になり、今 後の増産に向けても対応できるようになりました。
マイクロニードルの組立て作業については、金型の取り出しよりも多くの人手がかかっていました。作業として は単純ですが、ワークが軽いため、扱いが乱暴であると作業効率が落ちたり、傷ついたりします。扱いには慎 重な作業が求められます。また流れ作業である為、作業者全員の熟練度が揃わないと生産数が落ち込ん でしまって、生産計画通りに行かない事態が起こっていました。
ロボット導入の結果、作業者による処理数に差がなくなり、かつ品質も安定しました。これにより生産計画 通りに生産できるようになりました。また、作業者の熟練度が必要でないため、増産についても稼働時間を 増やして対応できる目途がつきました。
ロボットを用いた装置は、ワークが繊細であるため導入できないと当初は考えていましたが、何とかこの点を解決し、導入稼働させることが出来ました。今後もロボットを用いたモノづくりを目指したいと思います。
ロボットユーザーからひとことマイクロニードル化粧品は弊社 が世界で初めて製品化したもので あります。従って製造装置のすべ てを自社で工夫して改良してゆか ざるを得ませんでした。このような 中で製造装置のロボット化に関し ては、正直時期尚早との思いもあ りましたが、今回思い切って挑戦することにしました。
事前の検討を繰り返し装置の作動原理を定め 装置を設計製造しました。試運転には、私も立 ち会い思ったよりもスムースな動きでマイクロニード ル製造が出来てゆくのに感激しました。本機を改 良しさらに第2号機を製造しマイクロニードル化粧 品を世界に普及させる心づもりです
ロボットシステムインテグレータからひとこと
コスメディ製薬様とはマイクロニードルに関して ご縁があり、過去にもマイクロニードル医薬品関 連で一緒にお仕事をいたしました。今回のような 共同ワークは前例がなく十分な自信はありませ んでしたが、共同で動作原理決定のための小 規模実験を繰り返す中で自信を深めていきまし た。本機が完成し無事作動させることが出来 ほっとしていることろです。

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html