提案類型A未活用領域における導入実証・FS事業 (補助金上限額:導入実証3,000万円、FS 500万円)
三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)又はサービス産業におけるロボット活用であって、これまで当該分 野における活用が進んでこなかった阻害要因を明確に特定し、これを解決するためのロボット導入実証やFS (Feasibility Study:実現可能性調査)を行う計画を対象
補助事業者(企業名)(株)八百彦商店
補助事業者(所在地)奈良県香芝市
SIer(企業名)(株)ロボプラス、
(株)アルファス
SIer(所在地)兵庫県伊丹市,滋賀県大津市
タイトル食品スーパーにおける飲料自動陳列作業のロボット化
企業規模中小企業
業種サービス業(卸・小 売)
用途搬送
導入の主な目的労働生産性の向上
概要飲料の陳列作業において、多関節ロボットを導入。
バーコードリーダーで飲料のバーコードを読み込み、フェイスアップして供給できる。
概要②スーパーやコンビニなどの小売業では、これまで 安い賃金で人材を確保できたことや、作業が複雑で あったこととから、ロボットの実用化が遅れている。
今回ターゲットとした飲料陳列作業は、①陳列棚の 在庫管理がシステム化されていないこと②飲料フェ イス(表面)を認識できないことが阻害要因となり、自 動化が進んでいない。
本事業では、小型試作デモ機を開発した。①は、 飲料の残数を変位センサで測定し、缶の有無を判断 した。②は、缶のバーコードをバーコードリーダーで 読込み、缶の向きを認識、フェイス(表面)を前面に 整えた。
一方で、ロボットが在庫飲料を掴む作業にあたり、 缶の位置を把握し、飲料種類を判別する点において 課題が発生している。事業成果の活用と新たな課題 の解決を図り、製品化に向けて自動陳列作業ロボッ トシステムの開発を継続していく。
導入前人が飲料の搬入・陳列を行う
導入後変位センサで残数を測定
ロボットが飲料を掴む
フェイスアップを行い、供給する。
導入ロボット(種類)垂直多関節ロボット
導入ロボット(メーカー)デンソーウェーブ
導入ロボット(型番) VS-050/RC8
労働生産性
単位:倍
50(デモ機による理論値)
人数
(導入前)
2
(導入後)
単位:人
1
労働時間
(導入前)
5
(導入後)
単位:時間
0.2
生産量
(導入前)
600
(導入後)
単位:個
600
その他効果単純作業からの開放
投資回収年
単位:年
6.4
事業規模
単位:百万円
27.2
効果(年あたり)人件費の削減効果:429万円/年
時給1,200円×9.8時間×365日
=429万円/年
ロボット導入のきっかけ当社は、奈良県を中心に13店舗のスーパーマーケットを展開しています。社員144名、パート573名が 在籍し、当日仕入・当日完売を日々の目標とし、鮮度の良い商品を低価格で提供しています。
スーパーなどの小売業にとって、在庫管理は重要かつ手間のかかる仕事です。売り場における在庫はリア ルタイムで変化していき、欠品は売上の減少に直結します。一方で、従業員は接客対応が優先業務であ り、忙しい最中に棚の在庫を見渡し、商品を陳列する余裕を確保できません。
そこで、品出し・陳列作業を自動化することで人員を付加価値の高い業務に集中させ、業務効率化を 図りたいと考えました。またこれにより、従業員をルーチンワークから解放し、モチベーションを向上させ、サービス品質をいっそう高めていくことも可能になります。
飲料作業のロボット化は前例がないため、昨年度にFS事業を 実施し、ロボット化の実現性およびロボット導入の効果が非常に 高いことがわかりました。その結果に基づいて、本事業ではロボット 開発・製作に取り組みました。
ロボット導入を終えて本事業で導入したドリンク自動配膳装置は、小型試作デモ機です。冷蔵部、多関節ロボット、フェイスアッ プ部、取り出し部で構成されます。スタートボタンを押すと、冷蔵部から缶を取り出し、多関節ロボットが缶を 掴みます。続いて、缶のバーコードをバーコードリーダーで読取り、缶の向きを判断、飲料フェイス(表面)を 正面に向けて供給します。システムとしては、残数を変数センサで測定し、缶の有無を判別する機構と、缶 のバーコードをバーコードリーダーで読取り、缶の向きを判断、飲料フェイス正面に整える機構が特徴であり、 これを開発することによって、今後のウォークインクーラー内に導入するドリンク自動配膳装置の実現に繋がり ます。
ドリンク自動配膳装置は小型試作デモ機であり、導入後の稼働時間が短く、定量的効果及び定性的効 果を明確に認識するまでに至っていません。当社は、お客様に対して当該装置の導入をPRし来店動機に 結びつけたいと考えています。また、お客様に店頭設置した当該装置を触っていただき、ロボットが身近な存 在になりつつあることを感じていただければと思います。
今後は、今回の事業成果を活かすと同時に、新たに見つかった課題の解決を図ることで、ウォークインクー ラー内に導入するドリンク自動配膳装置を開発・実用化し、当社が経営する各店舗に順次導入を進めて いきます。
ロボットユーザーからひとこと私たちにとって、品出し・陳 列は手間のかかる仕事です。 飲料の入った段ボールは重く、 特に女性従業員にとっては、 過酷な作業となっています。ま た、お客様の対応などで忙し い時には、作業に十分に時間をとることができず、機会損失を生むことも多々ありました。
このように、店舗運営の問題となっていた陳列 作業ですが、本事業で陳列ロボットの試作を行 うことで、解決の兆しが見えてきたように感じます。
なお、今回施策した小型デモ機には、香芝店 店頭にて活躍してもらい、集客にもつなげていき ます。また今回の結果をもとにロボットの改良を 続け、一層の従業員の負担軽減と生産性向 上を目指していこうと考えています。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
本事業で行った品出し・陳 列作業のロボット化は、大手 チェーンストアなどにおいても見 られない、新規性の高い取組 となりました。
そのなかで、缶の残数を変 位センサで測定し、缶の有無 を判別する機構及び、缶の向きを判断し飲料フェイスを正面に整える機構は、FS事業の成果を活かし、 完成度の高いものに仕上げることができました。
一方で、ロボットが在庫から飲料を取り出す機 構については、FSの検討内容では実現出来な いことが判明し、構造変更を余儀なくされました。 今後この変更に伴い生じる課題を一つひとつ解 決し、また現場の方の声も反映させながら、ロ ボットの実用化を目指していきます。

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html