提案類型A未活用領域における導入実証・FS事業 (補助金上限額:導入実証3,000万円、FS 500万円)
三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)又はサービス産業におけるロボット活用であって、これまで当該分 野における活用が進んでこなかった阻害要因を明確に特定し、これを解決するためのロボット導入実証やFS (Feasibility Study:実現可能性調査)を行う計画を対象
補助事業者(企業名)ANAエアポートサービス(株)
補助事業者(所在地)東京都大田区
SIer(企業名)(株)チェンジ(株)メイキコウ(株)マイクロ・テクニカ
SIer(所在地)東京都港区,愛知県豊明市,東京都豊島区
タイトル空港内手荷物のバックヤードにおける搭載工程へのロボット導入
企業規模大企業
業種サービス業(その他)
用途荷物搬送
導入の主な目的労働生産性の向上
概要人手にて実施していたベルトコンベアからの手荷物降ろし・コンテナ搭載工程にロボットを導入 。
手荷物の画像認識、手荷物を掴むハンドの開発、アルゴリズムによるコンテナ積込を実現。
概要②飛行機の「定時運航」と「正確性」が要求される空 港バックヤード業務では、熟練した作業員が、限ら れた時間と空間の中で、多種多様な手荷物のコンテ ナ積込を手作業で行っている。今後の羽田空港の 発着便増加による業務量増加と深刻化する人手不 足に備え、ロボット導入によるコンテナ積込工程の 自動化を図ることとした。
積込工程の自動化にあたり、バックヤードは人に よる積込作業を前提とした空間であるためロボット導 入が困難であったが、積込工程を2工程に分割する ことで可能となった。また、ベルトコンベアでの手荷 物の画像認識と、手荷物サイズとコンテナ状況を踏 まえて積載場所を算出するアルゴリズムの開発によ り、多種多様な手荷物の認識・積込作業を実現した 。
成功ポイントは、昨年のFS事業を通じて積込工程 におけるロボット導入課題を明確にし、技術による解 決方策を検討できたことが挙げられる。
導入前人がベルトコンベアから手荷物を持ち上げ、 コンテナへ搭載していた。
導入後カメラでコンベア上の手荷物を認識し、ハン
ドで手荷物を掴み取る
積込アルゴリズムにより、手荷物サイズとコ ンテナ積込状況をもとに、積載場所を算出
ロボットが手荷物をコンテナに搭載
導入ロボット(種類) 垂直多関節ロボット
導入ロボット(メーカー)安川電機
導入ロボット(型番)MH-80
労働生産性
単位:倍
1.9
人数
(導入前)
88
(導入後)
単位:人
46
労働時間
(導入前)
7.46
(導入後)
単位:時間
7.46
生産量
(導入前)
17,000個/日
(導入後)
単位:個
17,000個/日
その他効果生産性向上、過酷作業の減少
投資回収年
単位:年
7
事業規模
単位:百万円
85.2
効果(年あたり)〇初期投資費用:944.3百万円 〇年 間オペレーション費用(ロボット保守 費):37.9百万円、(予備機初期1年の み):35.2百円 年間コスト削減効果
(削減できる年間人件費):189百万 円
ロボット導入のきっかけANAエアポートサービス(株)は、世界第5位の旅客数を誇る羽田空港を拠点とし、飛行機の到着から 出発までを管理・運営する空港地上支援業務を担っています。
羽田空港では、訪日外国人旅行客の増加や、国際線の増便に伴い仕事量が年々増加しています。少 子高齢化が続く今後の社会環境の中で、空港における地上支援業務、特にグランドハンドリング業務(客 室清掃、手荷物積付け、貨物・手荷物搬送など)における人材確保が大きな課題となっています。グランドハンドリング業務は、屋外での作業が大半で夏は暑く冬は寒い環境の下、人手に頼った作業が主体であり、労働の負荷が大きいため人が定着せず、現場のノウハウが蓄積されづらい状況になっています。これらの現場業務の課題を解決するため、システムインテグレータである(株)チェンジ様にご相談をさせ ていただき、手荷物をコンテナに積付けるロボット導入可能性についてFS事業を昨年度実施しました。
更にFS事業を通じて、空港の制約条件を踏まえた実現可能なロボットシステムの検討及び技術開発につ いて(株)メイキコウ様、(株)マイクロ・テクニカ様と共に開発協力を頂くことができ、当社として初めて空 港現場のロボット導入を目指した開発事業を開始できました。
ロボット導入を終えて手荷物のコンテナ積付け業務では、作業者がベルトコンベアから該当する手荷物を持ち上げ、対象コンテ ナ付近に一旦仮置きし、バーコードをスキャンしてから手荷物をコンテナに積み付ける作業をしています。羽 田空港のベルトコンベアは人が作業をすることを前提に作られているため、ロボットにとっては作業スペースが 狭く、人と同様の作業を実現することは困難と思われました。しかし本ロボットシステムでは、ベルトコンベアか ら手荷物を掴み取る装置と、手荷物をコンテナに積み込む装置の2段階で構成することで、その問題に対 処しました。
ベルトコンベアからの手荷物持ち上げ作業については、画像処理にて手荷物の材質・サイズ等を判定し、 開発したハンドにより手荷物を吸着して持ち上げ、コンテナ上部に設置したコンベアに搭載し、ロボットによる 積込みを待ちます。
次に、手荷物の情報とコンテナ内部を撮影した情報にもとづき、どの部分にどの手荷物を積み込むかを計 算し、ロボットによる積付けを行います。
ロボット導入の結果、これまで人手で行っていたコンテナ積付作業について自動化できることが実証されま した。これまでグランドハンドリング業務の自動化の検討は議論されてきましたが、実際にロボットで実現でき ることが確認できたことで、現場業務の生産性向上と過酷な業務の緩和が期待されます。
ロボットユーザーからひとこと今回、ANAエアポート サービスとしてこれまで 実施したことのないロ ボット開発を、システム インテグレータ各社のご 協力を頂きながら進め て参りました。一見、単純作業に見えるコンテナへの積込作業ですが、ロボットに置き換えるには非常に高度 な技術が必要であることが分かり、あらためて人間の能力の高さやロボットとの違いを実感しまし た。この難題に各分野のプロが集結し、最先端 技術を駆使して挑戦できたことは、当社にとって 大きな財産となりました。今後更に研究開発を 進め、人とロボットが協業し安全確実で効率的 な空港オペレーションの実現に向けて挑戦し続 けていきます。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
今回、手荷物の積込 工程の自動化において、 多種多様な手荷物の画 像認識、大切なお客様 からのお預かり手荷物を 傷つけずに持ち上げる方 策、手荷物情報とコンテナ積込状況にもとづくアルゴリズム設計開発など、いずれも大きな開発課題ではありましたが、シス テムインテグレータ各社が持つ知恵と技術をあわ せることで、ロボットによる積付け装置を実現する ことができました。
今後も、空港オペレーションの最新技術を活用 した高度化や、新たな付加価値の創出に向けて、 お客様のご依頼に添えるように頑張っていきたい と思います。

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html