提案類型【B.コスト削減に向けたSIプロセス実証事業】

補助金上限額:3,000万円
補助率 中小企業:2/3、大企業(中小企業以外):1/2
ロボットシステムの構想・設計・導入を担うシステムインテグレータと密に連携し、ロボットシステムの導入におけるシステムインテグレーションのコストを削減する設計手法の実証を行う計画を対象とします。
補助事業者(企業名)稲坂油圧機器
(株)
補助事業者(所在地)兵庫県加東市
SIer(企業名)安達(株)
SIer(所在地)長崎県長崎市
タイトル協働ロボットと人工知能技術を組み合わせた多品種油圧機器外観検査作業の省コスト化
企業規模中小企業
業種製造業(輸送用機 械器具)
用途検査
導入の主な目的労働生産性の向上 品質の向上
概要双腕ロボットで画像センサと照明を操作し、取得した画像をAI技術で判別し、外観検査を自動化
協働ロボットの使用により、人作業時のスペースで自動化を実現
概要②建機用の多品種油圧パイロット弁の最終検査の外観検査を、画像AIとロボット技術で自動化した。これまでは、 人手で要領書に従い、目視で傷や打痕の有無、正しく刻印やキャップ等が取り付けられているかを確認していた。 鋳物の外観欠陥、プラグ類の装着具合等は定量的規定が困難で、熟練作業者の官能検査に依存する。
外観検査は上面、側面、底面の検査が必要なため、今回、上面固定のカメラと、双腕ロボットの両腕にカメラを 配置した。また、AI技術を利用することにより、熟練作業者の判断の代替に挑戦した。
AIの活用による良品判定の実現に成功し、大きく生産性を向上できた。また、人と協働したシステムの構築により、従来のスペースを利用した自動化も行うことができた。
導入前規格化されたPRJ管理手法がない
・見積仕様書が不十分⇔仕様定義が曖昧
・納入仕様書の項目、諸条件が不十分
・定式化されたユーザテスト仕様書がない
手戻り工事が発生し、検収遅延、追加工事で費用増


①画像認識/判別系 := 2,385 万円
②搬送系 := 1,010 万円
③連動試験 :=130 万円 (ライン外での検証)
④ライン投入実証試験:=160 万円
合 計 :=3,685 万円
導入後良品基準の 画像判別
・AI活用で判別 基準が向上
・人協調ロボットでシステムを 簡素化
・PRJ管理に SIプロセス標準 を導入
見積仕様書 ⇔ 仕様定義の明確化
・納入仕様書で設計・製作・納入条件を確定
・ユーザテスト仕様書により検収条件を明確化
・手戻り工事の防止により費用削減、工期遵守を実現

①画像認識/判別系 := 1,500 万円
②搬送系(協働で簡素化):= 800 万円
③連動試験(個別単体確認にて簡素化):= 100 万円
④実証試験(ユーザテスト仕様書で効率化) := 120 万円
(約32%のコスト低減) 合 計 := 2,520 万 円
導入ロボット(種類) 双腕型スカラロボット
導入ロボット(メーカー)川 崎 重 工 業 ( 株 )
導入ロボット(型番)WD002N/duAro
労働生産性
単位:倍
10
人数
(導入前)
1
(導入後)
単位:人
0.1
労働時間
(導入前)
8
(導入後)
単位:時間
8
生産量
(導入前)
664
(導入後)
単位:個
664
その他効果製品の更改に対応容易
投資回収年
単位:年
4.6
事業規模
単位:百万円
25.2
効果(年あたり)年々の平均増分現金流入額:
削減人件費 550万円

投資回収年=2,520/550=4.6年
ロボット導入のきっかけ稲坂油圧機器(株)は、油圧機械装置に使われるコア製品を多く製造しています。今回の対象の建機用 の油圧パイロット弁は主力製品の1つで、大手油圧機器メーカが設計、販売する製品で、完成品製造を 当社が請け負っています。
近年の市場競争環境では、コスト削減要求に加え、品質管理向上が重要となっています。
完成品製造・出荷を請け負う当社としては、コスト削減と品質向上を目的に製造工程を効率化する一環 として、熟練検査員を必要とする最終検査工程の外観検査を自動化し、品質を確保しながら労働生産 性の向上を図ることが強く望まれています。
製造ラインの自動化が進む中、外観検査は自動化が最も遅れている部分の1つです。検査は良い眼と集中力が必要なため、若い人しかできず、 人手不足の中、対応に苦慮していました。
これまで、画像を使ったチャレンジは行いましたが、いい結果は得られず、 近年、進歩の著しいAI技術に期待しました。
ロボット導入を終えて本製品の外観検査をAI技術とロボットを用いて自動化する計画を立てました。
外観検査の対象は建機用油圧パイロット弁で、傷や打痕の有無、正しく刻 印やキャップ等の取付けなどを確認します。しかし、本体が鋳物のため、グライン ダ仕上げ跡などは、不良と判定すべき傷とは区別する必要があり、単に傷を見 つけるのではなく、良・不良の区別が重要となります。
外観検査は上面、側面、底面の検査が必要で、カメラ・照明を上面は固定 で、側面は双腕ロボットduAroの右腕に、底面は左腕に、配置しました。取得 した画像と良品画像との比較をAI技術で行い、良・不良を自動判断します。
AI技術で行う学習部分は良品画像を提供するだけですので、他の形式製品 の外観検査の自動化も容易に実現できると考えています。
中小企業では、新工場建設やライン全体を一挙に作り替えることは困難です。 これまでのスペースで実現する必要があります。安全柵が不要で、人と共存可 能な新しい双腕ロボットduAroの活躍が期待されます。
ロボットユーザーからひとこと今回使用したAI技 術は兵庫県立大学 の森本准教授が開 発されたものです。こ れまでパン屋さんの店 頭でパンを自動識別 する機器に使われて いました。パンの識別 は訓練すれば誰でもできるかもしれません が、鋳物の外観検査はかなり難しい技術です。 開始当初はAI技術での判定結果に疑問もあり ましたが、学習により進歩する技術は、実際に 使えるとの期待を十分に持たせるものでした。今 回は実証事業で実際にロボット設備を導入し、 労働生産性の向上に寄与することを期待して います。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
AI技術による良 否判別には、適確・ 明瞭な画像取得が 不可欠です。また、 短時間での処置が 必要なので、カメラ・ 照明・処理装置に ついては皆さんと議 論を重ねて、最適 な方式・仕様を決めました。
コスト的にも大きくなりましたが、稲坂油圧殿と カメラ・照明・処理装置の購入方法を検討し 合い、結果的に当初予算にまとまりました。
また、短期間で対応できたのは、User技術者 のロボット理解と使用能力の高さによるところが 大きいと思います。