提案類型【B.コスト削減に向けたSIプロセス実証事業】

補助金上限額:3,000万円
補助率 中小企業:2/3、大企業(中小企業以外):1/2
ロボットシステムの構想・設計・導入を担うシステムインテグレータと密に連携し、ロボットシステムの導入におけるシステムインテグレーションのコストを削減する設計手法の実証を行う計画を対象とします。
補助事業者(企業名)KPファクトリー(株)
補助事業者(所在地)兵庫県三木市
SIer(企業名)高丸工業(株)
SIer(所在地)兵庫県西宮市
タイトル鉄道車両重要保守部品溶接におけるロボット活用の効 率化
企業規模中小企業
業種製造業(輸送用機 械器具)
用途溶接
導入の主な目的生産の柔軟性向上
概要重要部品である鉄道車両台車の溶接品質保守への新たなロボット活用。
従来の大型システムを省スペース化し、設備費とスペースのコストダウンを実現。
概要②側ばりとは電車の足回りの台車枠と言われるフレームの車輪が取り付く部品で、多くの人命がかかる車両部品の中でも最重要保安部品とされ、数多くの大手車両メーカーでも当該部品をロボット溶接している。 従来として大手車両メーカーは1軸両持ちポジショナーにシーソーのような傾動軸を追加し、ポジショナー自身を15°程度傾けて溶接する。本事業ではワーク傾動時に動作領域を確保するためのロボット昇降スライダーを廃止 し、代わりに1軸両持ちポジショナーを昇降させる。また、シーソー状の傾動機構を廃止し、1軸両持ちポジショナー をフレームごと垂直に旋回させることで、±90°の傾動動作を実現するものである。ロボットをポジショナーの真上に位置することで、設備設置面積を最小限になっており、面積効率が最重要課題である中小企業において、また 作業者がフロアレベルで安全に作業できる本設備は中小企業にとって最適な設備といえる。
導入前従来型システムでは、設置面積が大きく、シーソー状 に傾動するポジショナーを採用。ロボットを三軸スライ ダーで稼働させるため、ピットが必要となる。


溶接ロボット+3軸スライダー3,000万円
1軸傾動ポジショナー500万円
周辺設備 1,800万円
ピット工事 1,000万円
合計 6,300万円
導入後特殊3軸ポジショナーを製作する事で、設備全体の省 スペース化実現。ワークの入替も低い位置で可能と なり、段取り替えが短縮できる。同機能で、スペース、 設備コストダウンに成功。


溶接ロボット+1軸スライダー 1,900万円
特殊3軸スライダー 950万円
周辺設備 1,050万円
周辺工事他 760万円
合計 3,980万円

導入ロボット(種類)垂直多関節ロボット
導入ロボット(メーカー)ダイヘン
導入ロボット(型番)FD-V6L
労働生産性
単位:倍
1.5
人数
(導入前)
1
(導入後)
単位:人
1
労働時間
(導入前)
8
(導入後)
単位:時間
8
生産量
(導入前)
0.92
(導入後)
単位:個
1.37
その他効果
投資回収年
単位:年
5.7
事業規模
単位:百万円
39.8
効果(年あたり)生産性:月産20本→30本/10本x
45,000円向上
人件費:月間304,000円→176,000円/
128,000削減
計月間578,000円の導入効果
ロボット導入のきっかけ当社は鉄道車両部品製造に特化して、国内の鉄道車両メーカー全社と取引しています。自社で一貫 生産できる体制を構築して、さらに三次元部品を多用した鉄道車両先頭部の先頭ボディー及び先頭部 バンパー等を得意としています。鉄道車両における台車本体の工程の一部は、大企業においてはロボット 化されていますが、付属部品は発注ロットが小さく、頻繁な段取り替が必要でした。このことから、先組部 品として私共が外注品として受注しています。重量物であり扱い難いものであり、高温の環境下で高品 質の作業が求められるためベテラン技能者にしか対応が出来ない
状態でした。複雑かつ過酷な熟練技能者の作業内容をロボットに 置き換える事によりこの問題に対応でき、さらにロボットに置き換わる ことで、オペレーターとして若手人材を採用・活用することにも繋がる のではという考えがありました。その時に、高丸工業様との出会いが あり現在のロボット活用の範囲の広さに驚きました。私の想像して いた以上の新しい事業部門が構築できそうと確信し、ロボット設備 の導入を決断しました。
ロボット導入を終えて昨年に当社としては初号機の溶接ロボットを導入してい ます。初号機では、1軸ポジショナーのみのシステムでしたの で、出来る製品や、ワークのポジション取りに制限がありまし た。本事業のシステムでは、初号機での不満をすべて解消 する事が出来たと思いますが、Slerの高丸工業様には、ご 無理をお掛けしたと思います。
本事業のシステムを導入して、3軸ポジショナーの実現す る、様々なワーク姿勢で安定した溶接施工が可能となりま した。大型台車部品の開先溶接部も従来では最終層まで、ポジショナーの許容姿勢で多層盛りを余儀なく施工していた部位も、微妙に変化する毎層の溶接狙い角度に設定でき、層数低減、見栄え向上、さらに、無理の ないウェービング設定で品質も安定し、大きな手ごたえを感じることが出来ました。ロボットアームは、ハンドリ ング機能を併用したので、仕上げ作業や、ワーク冷却作業などをプログラミングしていき、モノづくりを担ったロ ボット活用へと進化する事が楽しみです。
ロボットユーザーからひとこと私自身、溶接工員として長 き経験がありました。近年のロ ボット実証を知るまでは、大 企業向けで施工しやすい量 産品をロボットで補うものと思 い込んでいました。Sler高丸様との出会いをきっかけに、展示会等の情報収集の中で、自社の戦力部隊と して広げていきたいという思いになっていきました。
本事業進行中に、当社の携わる鉄道業界で 重大インシデントとなる事象が出ました。改めて 自社の製品が「公共の乗り物である」ことを認識 し、品質確保への取り組みは永続的だなと身が 引き締まりました。熟練工の匠の技と様々なロ ボット技術を取り入れて、共同作業の安定した ものづくり工場を目指して、これからも鉄道車両 の発展に貢献したいと思います。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
この度のシステムでは設備 面積の省スペース化・作業者 の安全性確保・最適な溶接 姿勢へのポジショニングの他に 中小企業のロボット導入の課 題となっている「多品種生産対応」を可能とするシステム を検討しました。 冶具をアタッチメント式の物 にする事により、ロボット稼働中にも外段取りで 次のワークの準備ができる・冶具を製作すれば 他機種にも対応可能となりました。
KPファクトリー様へ納入させて頂きました当 社で製作したロボットシステムで、身近な乗り 物の部品の溶接をしている事が誇らしく、また 嬉しい気持ちであります。今後ともお客様への 最適なロボットシステムを提案してゆきたいと思 います。

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html