提案類型A未活用領域における導入実証・FS事業 (補助金上限額:導入実証3,000万円、FS 500万円)
三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)又はサービス産業におけるロボット活用であって、これまで当該分 野における活用が進んでこなかった阻害要因を明確に特定し、これを解決するためのロボット導入実証やFS (Feasibility Study:実現可能性調査)を行う計画を対象
補助事業者(企業名)五洋食品産業(株)
補助事業者(所在地)福岡県糸島市
SIer(企業名)(株)サトー、福陵技研
(有)
SIer(所在地)東京都目黒区、佐賀県小城市
タイトル洋菓子成形型へのクッキングシート供給作業のロボット化
企業規模中小企業
業種製造業(食料品)
用途ハンドリング
導入の主な目的生産性向上
概要ケーキ型へのクッキングシート取り付けを人手でしていたものをロボット化する。
薄く腰がないためハンドリングが困難なクッキングシートをロボットの動きとハンドの構造で克服
導入前ケーキ型へは、生地の充填前に側面と底面にクッ キングシートを取り付けている。焼成後の型と生地 の剥離を良くするためである。側面用のクッキング シートは短冊状で細長く、底面用は円形をしている。 この作業には、3名の人員を配置し手作業で行って いるが、近い将来に人手不足となることは必至であ り自動化の必要に迫まれていた。
しかし、クッキングシートの薄い、腰がない、静電気 を帯びやすいなどの物性からハンドリングが難しく、 特に側面用は短冊状の物を円形にして型に投入す る必要から複雑な動きが求められていた。
この課題解決のために、自由度の高い6軸のロ ボットの採用と独自のハンドを組み合わせることで 自動化を実現することとした。
現状では、調整・改善が必要であり当初目標に達 していないが、課題解決の目途は立っており、当初 目標は達成できると確信している。
導入後人がケーキ型にシートを取り付けていた
概要②ロボット1 が側面用シートを巻取り
ロボット1 が側面用シートを型にセット
ロボット2 が底面用シートを型にセット
導入ロボット(種類)垂直多関節ロボット
導入ロボット(メーカー)オムロン
導入ロボット(型番)Viper 650
労働生産性
単位:倍
1.5
人数
(導入前)
9
(導入後)
単位:人
6
労働時間
(導入前)
12
(導入後)
単位:時間
12
生産量
(導入前)
7200
(導入後)
単位:個
7200
その他効果高温環境からの解放
投資回収年
単位:年
5.8
事業規模
単位:百万円
37.5
効果(年あたり)時給800円:800x3x12=28,800円/日
年間稼働日:226日
年間削減費:28,800×226=6,508,800円
ロボット導入のきっかけ五洋食品産業(株)は冷凍ケーキを主力商品とする食料品製造業です。昭和50年にナチュラルチー ズ加工業として会社設立し、平成26年からは海外との販売業務提携により輸出も行っています。
冷凍ケーキのリーディングカンパニーとなるため、素材の美味しさを再現すること、焼き立て、作り立てを越え るクオリティを目指しています。
現状の製造ラインは、その多くを人手に頼っていますが、品質の維持向上また生産性の向上を目指して 将来設計を考えるときに製造ラインの自動化がどうしても必要であり推進することとしました。
そこで、先ずケーキ焼成ラインの作業の内、ケーキ型への クッキングシートの取り付け作業を自動化できないかと考え、 従来よりご協力いただいている(株)サトー様に相談した ところ、主要部分のフィージビリティスタディを行ったうえで
ロボットシステムインテグレーターの福陵技研(有)様と共に ケーキ型へのクッキングシートの供給ロボットシステムをご提 案頂き、実施に至ったものです。
ロボット導入を終えて弊社でのロボット導入は初めての試みでした。
本当に人員の削減ができるのか? 生産効率は上がるのか? といった不安があったのは事実です。
しかし、一方で人手不足が深刻さを増しこのままでは近い将来生産ができなくなる恐れがあるので、ロボット 化できるところはロボット化することにチャレンジすることにしました。
今回導入することになった「ケーキ型へのクッキングシートの 供給ロボットシステム」は当初3人の人員削減を目標としていましたが、現状ではその目標は達成できていません。
しかし、目標を達成するための課題と対策については、明確 となっているので改良・調整を行い、必ずや当初の目標を達成できるものと考えます。
今後は、このシステムでロボット化した効果を検証し、他の 製造ラインについてもロボット化の取り組みを推進していき たいと考えているところです。
ロボットユーザーからひとこと製品の安全性と品質を確保しつつ生産性をいかに 向上させるかは、製造業にとって永遠のテーマであり使 命ですが、生産性のカギとなる人材の確保が年々難 しくなっている今、設備の自動化・ロボット化に期待す るところは、非常に大きい物があります。
今回ロボットシステムを初めて導入することになり、こ うした設備を設置するには、受け入れ側として準備す べきことがあることが分かったのは、今後のロボット化を 計画する上で収穫となりました。ロボットシステムは、弊 社向けの開発品であり、大量生産された汎用品では ないため、搬入設置後も一定の調整期間が必要であ ることなど生産計画に盛り込まなければなりません。
今後はSierとの協議を深め、他の設備へのロボット 化計画をスムーズに進めたいと思います。

五洋食品産業株式会社 品質保証部 生産技術グループリーダー
田村 勇気
ロボットシステムインテグレータからひとこと
五洋食品産業様からご相談を受けた時には「これ は難しい案件だな」と思いました。
そして「やりがいのある案件である」とも思いました。 お客様から、「将来のために今の内から自動化を推 進しておきたい」との要望をお聞きし、そのことへの情 熱を強く感じたからです。
クッキングシートというハンドリングの難しい材料をい かに正確にケーキ型へセットするか・・・
ロボットの選定やハンドの構造、クッキングシートを1 枚ずつ繰り出す機構など課題は多くありましたが、幾 度かの設計変更・試作検証を繰り返しひとつずつ克 服していきました。
「このシステムで行ける」と確証を持てたのは納入期 限の少し前でしたので、十分な効果を上げるためには もう少し時間が必要ですが、お客様に喜んでいただき たいと考えています。
福陵技研有限会社
代表取締役 南里 一志

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html