提案類型【B.コスト削減に向けたSIプロセス実証事業】

補助金上限額:3,000万円
補助率 中小企業:2/3、大企業(中小企業以外):1/2
ロボットシステムの構想・設計・導入を担うシステムインテグレータと密に連携し、ロボットシステムの導入におけるシステムインテグレーションのコストを削減する設計手法の実証を行う計画を対象とします。
補助事業者(企業名)紀伊産業(株)
補助事業者(所在地)神奈川県小田原 市
SIer(企業名)ミツイワ(株)(株)オフィスエフエイ・コム
SIer(所在地)東京都渋谷区,栃木県小山市
タイトル切り替えレス多品種対応自動化ラインによる生産プロセス効率化
企業規模中小企業
業種製造業(化粧品)
用途ハンドリング 検査・組立・搬送
導入の主な目的労働生産性の向上
概要メイクアップ化粧品の仕上げ包装工程にラベル貼り・小物装填等を行うロボットを導入。
機械的に規制する機構を排除。複数形状の製品を柔軟に対応できるロボットシステムを導入。
概要②変種変量生産が求められるメイクアップ化粧品の仕上げ包装工程に複数のロボットを導入した。従来のシステ ムインテグレーション手法で変種変量生産に対応するには、製品ごとに機械的な改造が必要となり、多額の追加 費用が発生する。また、生産中は製品ごとに段取り替えで機器交換や調整等に長時間を要する。従来手法では、 このような追加費用や段取り替え時間が発生するので、費用対効果が低く、ロボットシステム導入は困難であった。 本実証は、製品を機械的に規制する位置決め機構などを排除し、ロボットが持っている柔軟性やロボットビジョン の機能を活用し、変種変量生産に対応出来るロボットシステムとした。この手法により、製品ごとに発生するシス テムインテグレーション費用や段取り替えの作業時間が大幅に低減できた。
導入前従来の方法で変種変量生産に対応するには、製品の 形状や装填する位置ごとに、機械的に製品を規制す るガイドや冶具を設計製作してシステムインテグレー ションを行っていた。

形状が異なる製品ごとに発生するコスト
①ガイド、位置決め機構、パレットなど
370万円
②ロボットティーチング、テスト費用130万円
合計(1製品あたり)500万円
導入後パラレルリンクロボットの柔軟性とロボットビジョンの 機能を活用する事で変種変量生産に対応できる自動 化ラインが導入できた。これにより製品ごとに発生す るシステムインテグレーション費用が大幅に低減した。

形状が異なる製品ごとに発生するコスト
①ロボットが製品を把持するチャック 20万円
②ロボットティーチング、テスト費用 なし
合計(1製品あたり) 20万円
導入ロボット(種類) パラレルリンクロボット
導入ロボット(メーカー)ファナック
導入ロボット(型番)M-1iA
労働生産性
単位:倍
4.1
人数
(導入前)
19
(導入後)
単位:人
7
労働時間
(導入前)
7.25
(導入後)
単位:時間
7.25
生産量
(導入前)
14000
(導入後)
単位:個
21000
その他効果システムインテグレーション費用 削減
投資回収年
単位:年
3.6
事業規模
単位:百万円
199
効果(年あたり)省人効果:21.5人/日(28.5人-7人)
(従来14,000個/19人=736.8個/人)
(21,000個生産要員として28.5人/日) 効果:21.5×260千円=5,590千円/月 稼働率他加味し、4,740千円/月効果
ロボット導入のきっかけ紀伊産業株式会社 鴨宮工場 は主にメイクアップ化粧品の中身製造から充填、仕上・包装工程までを 行う化粧品の製造工場です。
メイクアップ化粧品の仕上・包装工程は、頻繁にデザイン等が変わる為に、弊社では殆どの作業を人手に
頼っています。
近年、品質に関する要求が厳しくなってきたことから、検査機器の導入・要員の追加などの対応を行って おり、それに伴う生産コストの増加、生産スピードの低下(作業ミス防止策として)が新たな問題になって います。更には、少子高齢化による慢性的な人材不足も重なり、労働生産性が著しく低下していました。
これらの問題を抜本的に解決するため、ロボットシステムとITシステムの連携を活用した自動化ラインの導 入について検討を開始しました。
一昨年には専用量産型の高効率ラインとしてスカラロボット2台及びリニアコンベアを活用し、労働生産性 約5倍のラインを実現する事に成功しました。
次のステップとして本年度は多品種対応を目的とし、可能な限り切り替え負担を減らす事に着目し、ロ ボットのフレキシビリティーと画像処理技術を活用する事で、複数形状の製品を柔軟に且つ、高速に自動 包装出来るロボットシステムを実現すべく、検討を開始しました。
ロボット導入を終えて本案件では、パラレルリンクロボットを4台使用する事により、機械的に規制するガイドや、位置決め機構 などを最大限排除する事により、かなりシンプルな生産ラインになったと言えます。また、ロボットが持っている 柔軟性やロボットビジョンの機能を活用し、変種変量生産に対応出来るロボットシステムとしたことにより、製 品ごとに発生するシステムインテグレーション費用や段取り替えの作業時間が大幅に低減できました。
管理面では、従来は作業・検査・員数合わせ等を人手に頼っていた為、ライン管理者の業務が作業説 明から員数管理、不良品の処理、生産実績の記載等多岐にわたっており、その多大な負担が大きな課題 となっていました。本案件では、各種画像検査装置を導入する事により品質保証力を強化するとともに、各 種システムとの連携によって員数合わせや不良の集計等の業務を自動化することができ、ライン管理者の 負担の削減に繋がりました。
本活動2年目となり、SIerとの方向性の共有化(仕様定義)は図れていたが、ロボットの性能(ロボビ ジョン・能力・安定性)に関し、把握(理解)しきれていない部分もあり、機台を導入してからの後戻りが 発生し、更には調整・デバック等に時間を要してしまった。User側・SIer側共にロボットの性能を深く理解し、 仕様定義前に可能な限りのリスクアセスメントを行えるように進めて行く必要があると痛感しました。
ロボットユーザーからひとこと弊社では、仕上・包装工程 に関し、殆どの作業を人手に 頼って行っていた為、作業者 の経験や能力にバラつきがあ り、労働生産性が安定してお りませんでした。
今回の導入に伴い、作業 者及びライン管理者の負担が軽減され、生産 性向上も実現でき、生産現場からも好感触を 得られております。更には切り替え負担を減らす 事で、保全要員の負担低減も実現できました。
活動を通じて、自動化・ロボットを導入する上 での課題・構想段階で必要な項目等が把握で き、良い経験となりました。この経験を生かし、 今後も更なるロボットを活用した、より自由度の 高い生産ラインを構築して行きたいと思います。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
近年、日本の製造業におけ る恒久的人手不足が問題視 されつつあります。中でも、三 品業界においては多品種小 ロット生産の製品が主であり、 未だに多くの工程を人手作業に頼っているため、他業種に 比べ、事態は深刻であるといえます。
そういった背景があるにも関わらず、今回の化 粧品組立・包装工程のような、高いフレキシビリ ティを求められる作業に対して、ロボット化を行う のは技術的に非常に困難であると言われ、実 現には至っていませんでした。 しかし、今回のロ ボット実証事業でロボット化を実現し、作業人
員を19名から7名へ省力化する事に成功しまし た。業界初のロボットシステムとして、良い参考 事例を創造できたのではないかと思っております。

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html