提案類型A未活用領域における導入実証・FS事業 (補助金上限額:導入実証3,000万円、FS 500万円)
三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)又はサービス産業におけるロボット活用であって、これまで当該分 野における活用が進んでこなかった阻害要因を明確に特定し、これを解決するためのロボット導入実証やFS (Feasibility Study:実現可能性調査)を行う計画を対象
補助事業者(企業名)(株)西野物産
補助事業者(所在地)大分県中津市
SIer(企業名)T・プラン(株)
SIer(所在地)大分県中津市
タイトル即席麺用チャーシュー供給作業へのロボット導入
企業規模中小企業
業種製造業(食料品)
用途ハンドリング
導入の主な目的労働生産性の向上
概要人が1枚ずつ供給していた2万枚/日・人以上のチャーシュー供給作業にロボットを導入し自動化を実現。
色、模様等が一定でないチャーシューに対し、セッティングの工夫で確実な認識とピック&プレースを実現。
導入前即席麺等に入っている「かやく」の製造において、 製造装置である包装機へのチャーシューの供給は、 従来人が1枚1枚手で供給していた。人に頼る理由 は、チャーシューは工業製品と違い、色、模様などが 一定ではなく、自動認識・搬送が難しい為である。また製造現場が狭いため、垂直多関節ロボット等の搬送ロボットを置くスペースが無かった。
今回、認識においては、チャーシューの色、模様な どの影響を受けにくいように、チャーシューの輪郭を 重視して認識する方法を採用した。またロボットにおいては、小型のスカラロボット2台 を採用し、小スペースと高速供給を実現した。
効果は、省人化として供給者約2名削減、生産性 約30%Up、その他、単純・過酷作業からの解放 を実現できた。今後として、チャーシューの他にも手 供給している原料があるので、それらの原料にも展 開すれば、更なる効果が期待出来る。
導入後人が1枚ずつチャーシューを供給していた。
概要②ホッパーローダーでチャーシューをコンベヤへ供給する
コンベヤ上のチャーシューをビジョンで認識する
2台のロボットで、補完しながら供給する
導入ロボット(種類)スカラロボット
導入ロボット(メーカー)ヤマハ発動機
導入ロボット(型番) YK220XC
労働生産性
単位:倍
9.6
人数
(導入前)
2
(導入後)
単位:人
1
労働時間
(導入前)
3.6
(導入後)
単位:時間
1
生産量
(導入前)
3600個/時
(導入後)
単位:個
4800個/時
その他効果単調・過酷作業の代替
投資回収年
単位:年
6
事業規模
単位:百万円
27.1
効果(年あたり)生産数増加:6.9k個/日x261日=1.8M個
利 益 増:180万円/年
省人化:0.86名(269万円/年=313万円
/年×0.86人)の人件費に相当
ロボット導入のきっかけ株式会社 西野物産では、カップ麺等に入っている「かやく」を製造しています。かやくの原料には、ネギ、 メンマ、なると、チャーシュー、ワカメなどがあり、それらの多くはボールフィーダで包装機へ供給しています。
しかしこれらの原料の中で、チャーシューには下記問題があり、ボールフィーダでの供給ができておらず、人が
1枚1枚手で供給しています。その数は2万枚/日 以上になり、単調で過酷な作業をしいていました。 以前、垂直多関節ロボット等による自動供給の検討を行いましたが、下記課題があり断念しました。
1)チャーシュー同士がくっつく場合があり、そのくっつきを自動で剥がす方法が無い。
2)工業製品と違い、色、模様などが一定ではない。 <従来のチャーシュー手供給>
3)製造ラインに、垂直多関節ロボット等を置くスペースが無い。
4)製造単価が安い「かやく」製造ラインへの高価なロボットの導入は、費用対効果から困難。チャーシューの自動供給を実現するには、上記課題の解決が必要でした。 地場の企業を中心に、約2年前から上記の自動化の相談をしていましたが、 多くの企業が技術的に困難という回答でした。しかし、T・プラン株式会社様だけは、前向きに検討いただき、今回の共同開発・導入に至りました。
ロボット導入を終えて上記の課題に対し、次のような解決を図りました。第一に、くっ付いたチャーシューの自動剥がし機ですが、 人が手で剥がしてる作業を自動化するのは難しい開発でしたが、印刷機をヒントに開発し、100%ではない ですが、ある程度のくっ付きは剥がせるようになりました。今後、更なる剥がし能力向上を図ります。
第2にビジョンの認識です。食品は工業製品と違って個々のバラツキが大きいため、認識が難しいです。各 社のビジョンを比較評価し、外形認識など多くの検査アルゴリズムを持ち、検査フローの自由度が高いビジョ ンを選定しました。これにより、チャーシューの重なりやバラツキに対し、要求する認識が可能になりました。
第3にロボットの小スペース化と安価化です。今回、小型のロボット2台を導入し、メインとサブの関係を持 たせてコンパクトに設置し、サブがメインのバックアップを行うシステムとしました。これにより、小スペース化と安 価化が実現でき、メインのミスをサブがフォローし、ロボットの連続供給が可能なシステムとしました。またコンベ ヤ上を動いているチャーシューをピックアップするコンベヤトラッキングを採用し、コンベヤ上のチャーシューをトラッ ク状に循環させることにより、更なる連続供給を可能としました。
導入の効果としましては、剥がし者と供給者の二人の作業者を省人化出来ました。また供給能力も人の 作業の約1.3倍以上の供給が可能になる見込みです。供給ミスに関しては、まだ流し込みが不十分なため 今後 量産での流し込みを行い精度を上げていく予定です。
ロボットユーザーからひとこと食品は、工業製品のように、 色、模様等が一定ではない 為、通常の画像処理や搬送 装置での自動化が難しく、人 手に頼った作業が多くなります。 特に我々のような中小企業の食品工場では大きな投資が出来ないため、自動化の案はあっても実行出 来ずにいました。今回自動化案件を実行できた ことは、省人化等の効果の他に、これからの人 手不足の対応に光が見え、我々の自信にもな りました。また地場企業と協力して導入できたこ とは、地場企業の技術力向上にもつながりまし た。最近は、ロボットの他にAIやIoTなどが話題 になっていますが、今後はそれらもフルに活用し、 更なる省人化や生産性向上に努めていきたい です。
ロボットシステムインテグレータからひとこと
ロボット導入にもっとも重要 なことは、お客様のニーズを正 確に把握し現場をよく観察す ることが大切と考えます。そう することでお客様と導入後の イメージを共有しながら進めることが出来ました。
今までは生産量を確保するには熟練の作業 者しか出来なかった仕事をロボットで行う難しさ はありましたが、生産量が安定することで生産 計画の立案が容易になり、作業者の突発的な 欠勤による生産予定の変更もなくなり喜んで頂 いております。今回のお仕事を頂けたことでシス テムインテグレータとしてチャレンジする仕事の楽 しさや、自身のスキルアップに繋がり今後もお客 様と共にロボットの活躍の場所を創造して提案 していきたいと考えております

ロボット活用ナビより  http://robo-navi.com/webroot/doc_download.html