ロボットシステムインテグレータとは?

産業用ロボットの導入に欠かせないパートナーとして、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)と呼ばれる企業が存在します。ロボットメーカーが販売する「産業用ロボット」には、物をつかむためのハンドは付いておらず、動き方も教えられていません。中小製造業が単独で自社の生産ラインに適合するようにロボットシステムを構築することは難しい場合が多いです。

ロボットを使用した機械システムの導入提案・設計・構築等を行う「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」と呼ばれる企業は、ロボット導入のために重要な存在です。大まかなイメージは下記の通りです。

参照元:令和元年7月9日「経済産業省におけるロボット政策」より

ロボットSIerは、最適なロボットシステムを構築するために必要な機械装置を選別・統合します。ロボットや関連装置、周辺設備の各メーカーから必要なものを集めてきて製造・組立をします。

商社をどのように活用するべきか

図の中で省略していますが、中小製造業とシステムインテグレータの間に、商社が介在することもあります。商社はなぜ存在し、どのように活用されているのかについても解説します。

商社の役割は大きく2つあります。①ユーザー(中小製造業側)の煩雑性の削減です。新規で口座を開くことは、お互いの手間がかかることがあります。その手間を無くしたいというときに、これまで付き合いのある商社を間にいれることはよくあります。②ロボットSIerのキャッシュフロー改善。中小製造業側からすると、ロボット導入に関する費用は、組立・設置後に支払いたいというニーズがあります。一方でロボットSIerは、ロボットの導入が完了するまで先にお金が出ていってしまいます。ロボットの導入は、数カ月以上かかることもありますが、その間入金が全くないことになってしまいます。商社は、ロボットSIerに対して先に支払いをすることで、ロボットSIerのキャッシュフローを支えています。

当然、商社を介在させることで、その分の手数料が発生します。仮に商社を通さずに、ユーザー側で考えることとしては、上記2点と重なります。まずはロボットSIerと新規で口座を開くことに対する手間や、そのロボットSIerの信頼性を確認すること。そして、支払いのタイミングについてもロボットSIerとよく相談することが必要です。