機械設計とは

産業用ロボットの機械設計とは、ワーク(製品)を作るために機械システムの要求をユーザから聞き取り、その要求を満足するように、環境や規制などの制約条件の下、システムを理論立てて作るという作業プロセスをいいます。その基本設計作業プロセスは下記の3つからなります。

構想設計

製品を作るための機械の機構や構造を考え(構想)、システムの機能を満足する仕様を決めます。これをシステム構想といい、この段階で要求事項(機能、機構、概略の大きさ、機械要素など)を盛り込む必要があります。

基本設計

3Dモデル化や図面化を行い、加工の組立のしやすさ、精度の出しやすさを検討します。

詳細設計

具体的な製作図を作り、強度計算及び剛性のための応力解析シミュレーションなどを行います。

機械製図とは

機械製図とは、その設計したアイデアを具体的に形にするためのユニットや部品を、どのように加工し、組み立てていくかを明確に製作者に指示する図面を作成する作業です。

機械製図は、3次元の物体を2次元で表し、日本では見た方向から見える絵を見た方向に描く三角法が用いられています。形状を明確に表し、これに寸法や加工、熱処理など製作に必要事項を記入して図面を完成させます。

図面は、JIS規格に則り描いていく必要があり、詳細は資格検定制度である技能検定 機械・プラント製図(機械製図手書き作業)で述べられています。

製図は従来手書きでドラフターを使用して行われていましたが、今日では、2次元や3次元CAD(コンピュータ支援による製図)を使用して作図が行われています。

JISに則った図面を読み込むことを、読図(どくず)といい、製作者側は製図者の意図を理解する読図力が必要です。

設計のための知識

システム設計のために必要な知識として、機械工学(力学、材料力学、機構学、機械材料、加工、工作知識、締結機械要素、伝動機械要素、駆動方法、配管、接合方法、機械製図)はもちろんですが、電気・電子工学・情報工学、さらには特許や法規などに関する知識も必要となります。

設計妥当性検証

設計者は設計したものが正しく機能するか妥当性検証をする必要があり、その能力も必要となります。

システム構築のフローでは、設計図面をもとに、材料を加工し部品製作し、メーカ購入品と組み合わせて機械(ユニット)を作り、機械(ユニット)を組み合わせてシステムを完成させます。

その後、電気配線や各種配管を行い、動作テストを行ってユーザ要求性能や仕様に基づき設計した機能、性能が満たされているか、その性能のバラツキが許容値内を満足しているかの検証を行うこととなります。

条件が満たされていない場合は、設計時の何が原因であるかの設計根拠(計算、シミュレーション)を分析し、原因を突き止めて、設計値に原因を反映し再度検証を行い、妥当性を検証することとなります。

図面構成

機械設計図面は構想図、全体組立図、部分組立図、部品図、部品表の5種類で構成されます。

構成図

ものの大きさ、求める性能、使用機器を記入します。

全体組立図・部分組立図

製品と機械との関係を表すとともに、各部品図の部品がどのように結合されているかを表します。部品図の番号や、購入部品のメーカ、型式番号、数も記載します。

部品図

部品の材質、材料寸法や接合方法(溶接、溶着)、機械加工に関する詳細方法を詳しく表します。製作数も明記します。部品番号は組立図内の組付部品番号と一致させなければなりません。

部品表

部品番号にもとづき、部品名称、メーカ、型式、材質、製造数または手配数を明記します。組立図の図番と一致させておく必要があります。