モータの薄型化や高性能化に不可欠

2020年9月16日、住友電気工業株式会社はモータの薄型および高性能化に貢献するアキシャルギャップモータ用の圧粉磁心を開発し、先月から量産を始めていることを発表しました。

電気自動車やハイブリッド自動車に用いられる駆動用モータにはレアアースが利用されます。しかし、レアアースには価格の高騰リスクと供給の不安定さという課題があるのです。

そこで現在注目を集めているのがレアアースの使用量を抑えた磁石の開発や出力密度を高めたアキシャルギャップモータの開発です。

そのようなモータを生み出だすには優れた磁心が不可欠なのですが、同社の長年培った技術によって高性能なアキシャルギャップモータを実現可能な圧粉磁心ができあがりました。

部品コストおよび組み立てコスト削減にも貢献

今回開発した圧粉磁心は金型プレスを使って軟磁性鉄粉を三次元形状に造形したものです。

ラジアルギャップモータに用いられる電磁鋼板よりも形状自由度が高く、高周波特性に優れているという特徴があります。

また、圧粉磁心をモータの磁心として使う場合、一般的には銅巻線と磁心との間に耐絶縁用の部品が必要なのですが、同社は独自の技術により圧粉磁心に銅巻線を直巻きし、部品コストおよび組み立てコスト削減にも貢献します。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

住友電気工業株式会社 プレスリリース
https://sei.co.jp/company/press/2020/09/prs096.html