電動自動車の設計自由度と燃費を向上

東レは9月23日、電動自動車(xEV)向け車載コンデンサ用の新フィルム「トレファン新世代グレード」を開発し、本格生産を開始したと発表しました。

今回開発された新フィルムは、高耐熱・高耐電圧二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムです。

同社では、このフィルムを用いたコンデンサをxEVのパワーコントロールユニット(PCU)に適用すれば、PCUの小型化、高効率化、耐熱性向上が可能となり、xEVの設計自由度や燃費が向上するとしています。

同社は、新フィルムの高性能は既に評価・確認されているとし、同フィルムの本格生産を開始しました。また、今後の需要拡大に向けて東レ土浦工場に生産設備を増設し、生産能力を現行の1.6倍にするとしています。

小型化・耐電圧向上・高耐熱化ニーズに対応

同社のプラスチックフィルム製品「トレファン」は、主力用途のフィルムコンデンサが高成長分野のxEVで広く採用され、同用途においてトップシェアを誇っています。

しかし、xEVは設計自由度を向上させるため、PCUの小型化が求められていました。さらに、耐電圧向上と高耐熱化のニーズも高まり、従来の設計手法によるOPPフィルムでは対応できなくなっていました。

そこで同社は、OPPフィルムの結晶構造と非晶構造をナノレベルで精密制御し、高耐熱・高耐電圧のフィルムを開発しました。同フィルムの高温(125度C)の耐電圧性は約15%、耐熱温度は5度C以上向上し、フィルムコンデンサの大幅な小型化が可能となりました。

(画像は東レ・ホームページより)

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東レ ニュースリリース
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