今年で8回目を数える鉄道技術展が、2023年11月8日(水)〜10日(金)の間で開催されています。鉄道の技術を支える製造業や鉄道業界のDXを知るため、9日に参加してきましたのでレポートします。

鉄道技術展の概要

名称第8回鉄道技術展2023 Mass-Trans Innovation Japan 2023
会期2023年11月8日(水)~ 10日(金) 10:00 ~ 17:00
会場幕張メッセ 4・5・6・7・8ホール
主催産経新聞社
オーガナイザー株式会社 シー・エヌ・ティ
後援国土交通省/文部科学省/千葉県/千葉市/独立行政法人日本貿易振興機構 /独立行政法人国際協力機構/独立行政法人自動車技術総合機構 交通安全環境研究所 /独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構/北海道旅客鉄道株式会社 /東日本旅客鉄道株式会社/東海旅客鉄道株式会社/西日本旅客鉄道株式会社 /四国旅客鉄道株式会社/九州旅客鉄道株式会社/日本貨物鉄道株式会社/東京地下鉄株式会社
協賛      公益財団法人鉄道総合技術研究所/公益社団法人日本交通計画協会 /一般社団法人海外鉄道技術協力協会/一般社団法人日本地下鉄協会 /一般社団法人日本鉄道技術協会/一般社団法人日本鉄道車両機械技術協会 /一般社団法人日本鉄道車輌工業会/一般社団法人日本鉄道施設協会 /一般社団法人日本鉄道電気技術協会/一般社団法人日本電機工業会 /一般社団法人日本電気制御機器工業会/一般社団法人日本建設業連合会 /一般社団法人日本モノレール協会/一般社団法人日本民営鉄道協会/一般社団法人信号工業協会 /日本鉄道システム輸出組合/一般社団法人日本試験機工業会 /一般社団法人鉄道分岐器工業協会/一般社団法人日本鉄道運転協会 /一般社団法人鉄道建築協会/鉄道友の会/株式会社産経デジタル(順不同)

※第5回 橋梁・トンネル技術展(www.infratech-expo.jp)も同時開催しています

会場の様子

連日多くの鉄道関係者の方が来場されているようです。公式サイトによると、初日の8日、9日ともに1万人以上の方が来場されたのだとか。ビジネスマンの方ばかりではありましたが、中には鉄道が好きな子供と来場されていた方や、学生もいらっしゃいました。

筆者が特に気になったブースは…!

幕張メッセの展示ホールのうち4割程度を使用して開催された今回のイベント。出展社数は全国津々浦々から500社(団体)以上で、中にはスイスやオーストラリアなど海外からの出展もありました。

その中で、私が一番気になったブースはルイテック株式会社さんです。

ルイテック株式会社 公式HPより

同社は東京都八王子市に本社を置く会社で、産業廃棄物の処理を行うリサイクル事業やシステム開発事業、そして鉄道事業を手がけています。鉄道事業では、使用済み合成まくらぎの100%リサイクルを実現しています。100%リサイクルすることで、埋立処分を行うことなく廃棄物ゼロ(ゼロエミッション)を達成しているそうです。

資源化・原料化のための処理工程で発生する有害物はすべて無害化します。完全無害化処理を行い、新たな原料として鉄道関連資材に生まれ変わることで、高度資源循環を可能としました。

同社の公式ホームページより

もう1つ、私が個人的に驚いたブースがありました。それは株式会社日本線路技術さんの展示です。

株式会社日本線路技術 公式HRより

同社は東京都足立区に本社を置く会社で、軌道検測と調査・設計に関する業務を行う会社として1979年に設立されました。現在でも線路に関する検測や設備のモニタリング、線路技術のエンジニアリングなどを手がけています。今回ご紹介いただいたのは「線路設備をモニタリングする装置」と、モニタリング装置で収集したデータを解析する画像解析AI(ディープラーニングモデル)です。同社はJR東日本の営業列車において、2013年5月から試験的にモニタリング装置を設置し、2018年7月より本格的に導入されました。この装置では線路の状態を遠隔監視することができ、また毎日走行する営業列車に装置が設置されていることから日次データを収集できるそうです。

このデータを活用し、線路の不良箇所をAIが判断し更なる調査を推進できる仕組みが2023年10月より導入されました。この一連の研究は、理化学研究所との共同研究によって実施されたそうです。

(参考)

最後に

鉄道技術展に参加させていただき、また多くの鉄道関係企業の方とお話しさせせていただきましたが、鉄道業界にもDXやGXの流れが明確に生まれてきていることを実感しました。もちろん、世の中が変化していますので鉄道業界にもこうした流れがあることは把握しています。しかし、私が知っていたのほんの一部分、表面の部分だけだったと感じました。

私たちが日頃利用する鉄道が、日々どのような工夫で運行され、安全が確保されているのか。また、それに関わる技術を知ることができました。個人的に鉄道などの乗り物が好きなので、とても良い機会になりました。

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