様々なテクノロジーが発達し、仕事やプライベートにおいてあらゆる「便利」が広まった現在、便利になったはずなのに「現代人は忙しい」と言われています。そんな忙しい現在を生きる私たちにとって、時間を管理する力「タイムマネジメント力」はなくてはならないスキルの1つでしょう。 

企業においても、DXや環境対策などの新しいことに挑戦しようとする時に、「取り組みたいけど時間がない」というお悩みをよくお聞きします。 そこで今回は、現代社会に必須のタイムマネジメントとどう向き合うべきか、株式会社dandanの三浦社長にお話を伺いました。 

会社概要

株式会社dandan 

コーポレートサイト     https://dandan-inc.studio.site
代表者 代表取締役 三浦 豪 
設立 2021年9月 
本社 東京都港区浜松町 
事業内容 タイムマネジメント・生産性の向上を目的としたプログラムの提供 人材育成に纏わる経営コンサルティング事業
自分らしさを探求し、自己変容し続ける働き方、生き方の研究・実践事業 

代表取締役 三浦 豪 / Go Miura

PwCの戦略コンサルティングチーム、Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)にて国内外の省庁・大企業向けの戦略コンサルティングを経験したのち、2017年に事業投資会社のReapraに入社し本社経営企画/社長室業務および、日本・東南アジアの投資先支援に従事。

2021年に株式会社dandanを創業し、タイムマネジメント力の向上に特化した研修・コンサルティング事業を展開している。米国ワシントン大学卒業。山形県山形市生まれ。 

目的を達成するためのタイムマネジメント

ーーはじめにそもそもタイムマネジメントとは何かについてお伺いします。三浦社長はタイムマネジメントについてどのようにお考えなのでしょうか? 

概念自体は昔からありますし、これまでもいろいろな方々が「時間をよりよく使うこと」を目的としたタイムマネジメントの手法について、書籍やセミナーで解説されています。そのため、私が新しい概念を成立させたというわけではありません。あくまでも、環境が激しく変化する、今の時代に合わせた効果的な時間の使い方を考え、わかりやすい形で構成し、お伝えすることに取り組んでいます。 

ビジネスに限った話ではなく、家事や学業、旅行など私生活にもタイムマネジメントの要素はあると思いますので、種類をあげようと思えばキリがないようにも感じています。 
弊社が研修テーマとして主に扱っているのは、ビジネスの現場における「戦略的」なタイムマネジメントです。限られた時間を有効活用するべく、目先の仕事を効率化・高速化することも大事ですが、ビジネスには必ず目的があります。弊社では、目的を達成するための戦略的な時間の使い方を考える必要があると考えています。私自身はこれを「ミクロ」と「マクロ」の両立という言葉で表しています。 

「ミクロ」と「マクロ」を両立することが大切

ーータイムマネジメントにおける「ミクロ」と「マクロ」という考え方は初めてお聞きしました。具体的にどのように区別されるのでしょうか? 

「ミクロ」のタイムマネジメントとは文字通り、1時間、1日という「ミクロな(細かい)」単位で時間の使い方を効率化していくという考え方です。目先の業務を素早く終わらせるためにタスク管理の手法を最適化する、業務をマニュアル化することで効率化を図る、ITツールを導入し仕事を自動化する、各人がスキルアップに取り組み作業を速くするといったような取り組みも含まれると思います。 

一方で、「マクロ」のタイムマネジメントとは、1週間、1ヶ月という「マクロな(広い)」単位で時間配分を効率化していくという考え方です。 

マクロという言葉を聞き慣れていない方々もいらっしゃるかもしれませんが、「小さい、細かい」という意味の「ミクロ」の対義語にある言葉が「マクロ」です。辞書的には「広範囲、大規模な」という意味があります。 

日々の業務時間を有効活用するという観点では「ミクロ」観点が注目されがちですが、1週間、1ヶ月、1年という長期的な視点で「目標を達成するための適切な時間配分ができているのか?」という観点で振り返り、改善サイクルを回すことが「マクロのタイムマネジメント」の目的です。 

中長期的な会社や個人のミッションや目標から逆算し、「本当に重要なことに時間を使えているのか?」に定期的に立ち戻って修正をかけることが重要だと考えています。 

可視化することで自分の現状に気づく

ーー仕事の中でタイムマネジメントを実践しようする場合、何から取り組んでいけば良いでしょうか? 

前述のミクロ・マクロの2つを意識して取り組むことが重要ですが、最初の出発点としては自身の時間配分の現状を数字で可視化することをおすすめしています。毎週の業務時間を5〜10種類に分け、実際の業務時間の割合を大まかでいいので計算してみるという取り組みです。例えば、「今週は社内会議に20%、移動時間が7%、資料作成に35%、商談に10%…」というようなイメージです。 

私たち人間は、意外と過去に自分がどのように時間を使っているかを覚えていないという性質があるため、「こんなに多くを会議に使っていたのか…」「全然必要な時間を使えていない」などといった気付きを得ることができたり、ついつい繰り返してしまう癖や非効率なパターンにも気付くことができたりもします。 

現状が把握できたら、次のステップは「時間の使い方のあるべき姿」を設定しましょう。「目の前の仕事を片付ける為に必要な時間配分」ではなく、「半年後、1年後の目標を達成するために、どのような時間配分が求められるのか?」をゼロから考えることが重要です。具体的には、毎週、何にどれくらいの時間を使うことが望ましいのか、曜日ごとにどのような工夫をするべきなのか、午前と午後はどのような使い方ができると理想なのか、を考えていくと良いでしょう。

往々にして、私達人間はつい目先の「ミクロ」の観点に囚われてしまいやすい性質があるため、本来必要な時間の使い方とは違うところで、成果に繋がらない努力をしたり、忙しくしてしまっているということがよくあります。現状とあるべき姿のズレを把握しながら、徐々に理想に近づけていくために試行錯誤をすることが大切です。もっとも、上述の「あるべき姿」は変化していくものですので、1〜3ヶ月くらいの間隔で見直し、柔軟にブラッシュアップをかけていくことも重要です。決して、未来の時間の使い方を細かく固定し、自分自身を縛り付けることが目的ではありません。

前述の可視化もそうですが、常に現状と目標の差分を認識できているかどうかが重要だと感じています。それができていれば、優先度が低い事柄に対する時間の割合を少しずつ下げるように工夫をしたり、長期的に見て重要な事柄に少しずつ時間を使うことができるようになっていくはずです。 

一方で、現状と理想の差分が分からなければ、改善の打ち手を思いつく回数は少なくなりますし、ただ目先の仕事に囚われてしまったり、本来重要度の低い事柄に時間を使い続けたりしてしまうということが起こってしまいます。 

「がむしゃら」から「効率化」へ

ーー最後になりますが、三浦社長は中小企業、特に製造業にはどのような支援が可能でしょうか。

弊社では、主に若手〜管理職までの層が「戦略的なタイムマネジメント」を体得するための研修・ワークショップを日常的に提供しています。加えて、少人数を対象にした時間の使い方に関する伴走支援やコンサルティング等も提供しています。 

この10〜20年の間にも、タイムマネジメントの難易度が高まってきていると言われています。その理由には、少子高齢化に伴う人手不足、ITツールの普及による業務の複雑化、コロナ前後での仕事のスタイルの変化、働き方改革やワークライフバランスといった言葉に代表されるような社会風潮の変化があります。

現代社会で成果を出すためには、がむしゃらに量を投入するのではなく、より限られた時間の使い方を捉え直し有効活用する、本質的に重要な事柄を見定めて集中するというマインドや方法論が重要になってきていると考えています。 
生産性や時間管理に課題をお持ちの企業様に対してはお役立ちできる点が多いと考えています! 

最後に 

今回は、現代社会を生きる私たちに必要なタイムマネジメントの考え方について、株式会社dandanの三浦社長にお話を伺いました。デジタル活用や環境対策、新規事業など、何か新しいことを始めるためには多くの時間が必要です。その時間をどのように確保していくのか、また現在の業務は本当に必要なのか。
時間の使い方を見直すことで、目指す姿に向かって変化していきましょう。

株式会社dandanが取り組むタイムマネジメント研修について、詳しくは下記よりご覧ください。