※本記事は、2023年6月に取材したものを一部改編したものです。

株式会社ケント・コーポレーションでは、2023年4月よりMicrosoft製品を用いて開発された「勤怠管理システム有給申請システム」を導入しました。勤怠管理を行うことができるサービス(SaaS)は数多くある中で、なぜMicrosoft製品による開発・導入を行なったのか、導入前後でどのような変化があったのかなど、導入の背景と現在についてお伺いしました。

会社概要

株式会社ケント・コーポレーション

コーポレートサイト      http://www.kentocorp.co.jp
代表取締役会長  森谷 吉男
社長  森谷 行雄
設立1972年9月
資本金2,000万円
本社〒330-0052 埼玉県さいたま市浦和区本太2丁目9番24号
事業内容体育施設運営管理、施設運転管理、コールセンター業務、ビルメンテナンス、工業薬品販売、スポーツ用品販売
免許・登録ISO27001認証取得 【認証登録証】【情報セキュリティ基本方針】、警備業認定、建築物清掃登録、毒物劇物一般販売業登録、エコアクション21認証登録、労働者派遣業許可

“企業独自の勤務環境を反映できる”ことがオリジナル開発の決め手

ーー今回貴社が勤怠管理システムを導入した背景や、既存システムではなくMicrosoft製品を用いたオリジナルの開発を行なった理由を教えてください。

株式会社ケント・コーポレションは、公共施設の管理運営業務を委託しており、さいたま市内を中心に本社含め12拠点(2023年2月現在)が点在しています。各拠点では、夏期は180名以上、冬期は360名以上が正規・非正規の職員として勤務している会社です。
職員の勤怠管理は、元々、タイムカードを用いて集計し手動で勤務時間を計算、その後給与ソフトに再度手動で入力していました。そのため各拠点からのタイムカードの回収、勤務時間及び給与の計算に大きな時間と労力がかかってしまう課題がありました。

この状況を改善するため、勤怠管理システムの導入の検討を始めました。しかし、複数の既存SaaSやサービスを試してもたものの、特殊な勤務環境* の影響があり既存のパッケージサービスでは社内に導入することができませんでした。こうした複雑な給与計算を実装できるオリジナルシステムを開発することに決定した。

*編集者注:部門によっては一部の職員が複数の時給で計算する必要があったり、特別な資格を必要とする部門の場合はその分の手当の計算も必要 など

システムは少しずつ、段階的に導入中

ーーシステム導入から2ヶ月が経過しました。現在の導入状況を教えてください。

システムは段階的に導入しており、現在は本社と川口拠点で順次利用を開始しています。最初は画面が消えてしまうなどのトラブルも数日ありましたが、今では職員が自分で電源を入れて入力できるようになりました。UI(画面デザイン)に戸惑うこともありましたが、利用を続けることで慣れ、現在では混乱もなくスムーズに使うことができています。正規職員は自ら月次勤務日数・時間の集計を実施しますが、こちらも導入したシステムを用いて問題なくできています。

現場の1つである川口拠点の責任者からも「使いやすい」という声があります。一方で、今後導入するいくつかの拠点では普段パソコンを使わない責任者が管理しているため、これらの拠点への導入にはまだ不安がありますが、勤怠システム導入による管理者の作業負担の軽減と作業効率の向上に期待しています。  

補助金を活用して導入コストを低減した

ーー貴社では今夏のシステムの導入に際し、補助金を活用することで導入にかかるコスト面でのハードルを下げたと伺いました。

今回のシステム導入に際し、さいたま市が公募した「さいたま市DX推進補助金」を活用しました。実際に交付申請額も40万円となり、非常に大きな補助となりました。申請時は得られる効果やきっかけに関する(2枚程度)のレポートを、申請後はタブレットの見積もりや実証効果の測定などに時間を要したものの、報告時もレポートの提出(2枚程度)するだけであり、それほど大きな負担とはななりませんでした。

システム導入によって、月約32時間のコスト削減に!

ーー「段階的に導入されている」とありましたが、すでに導入されている部門ではどのような効果がありありましたか?

導入によっては次のような効果がありました。        

【勤怠管理】

  • 市内外に点在する12拠点からのタイムカード回収作業が不要になった
    これにより、タイムカードの回収遅れによる給与計算作業の時間的圧迫が解消された
  • タブレット打刻になったことにより、月次集計が自動化され集計作業における勤怠管理業務工数が大幅に削減された
  • 自動化により、手動による人的ミスによるリスクが軽減された

【有休申請】

  • 紙ベースでの申請からタブレット上での申請に切り替わり、勤怠システムとの連動によって管理業務工数が削減された
  • 勤務日数と勤務時間の集計自動化により、有休付与日数と付与時間算定にかかる労務が大幅に削減されることが想定される。

全体で、今回の勤怠管理システム導入による工数は、2023年2月度実績で1,930分(約32時間)削減となり、大きな効果をもたらしています。

今後はデジタル化の拡大、分析も行っていきたい     

ーー今回のシステム導入を機に、今後の展望について教えてください。

今回のシステム化を受けて、勤務状況がより見える化されました。今後は勤務状況の分析に活用(Power BIなどとの連携も視野)することで、これまで以上に法令遵守を徹底していきたいと考えています。
また、現場の支援に行く場合の給与計算や時間計算など、今回のシステムには導入せず現在も手作業で行っているものも多いため、今後自動化していければと考えています。

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