株式会社ジャパン・エンダストリアルは、2023年3月より内田精研有限会社様にDXプロジェクトの伴走支援を提供しています。ジャパン・エンダストリアルが有するDXのノウハウを、現場社員の方に研修を通して提供しています。

そんな研修を通してアプリ開発の力を身につけ、実際に現場でデジタル化に挑戦する若手女性社員がいます。入社1年目、ITに関する知識はほとんどなし。事務職の仕事と並行しながらの挑戦。
なぜ未経験からアプリ開発に挑戦したのか、どのようにスキルを学んできたのか。楽しかったことや難しかったことなどの気持ちの変化や、これからの目標なども取材しました。

内田精研有限会社の取り組みはこちらからご覧ください。

副島 壽七子 / Hinako Soejima

佐賀出身。

大学卒業後、「関東で就職したい」との想いで就活を行い、内田精研有限会社に入社。決め手は、「コロナ禍にも関わらず、唯一『会社を見に来てから決めてください』」と社長に言ってもらえたこと。

事務職として勤務する傍ら、入社1年目にしてPower Platformを用いたアプリ開発に取り組む。

「やってみたいな」を後押ししてもらえた

ーー事務職として入社されたそうですが、普段はどのような業務をされているのでしょうか?また、なぜアプリ開発に取り組むようになったのでしょうか?

普段は、物の発送の準備や見積表の作成、作業表の準備などが主な業務です。

アプリ開発に取り組み始めたきっかけは、DXプロジェクトが始まるタイミングで社長から「参加してみない?」と声をかけられたことです。趣味がゲームだったので、機械を使うことに慣れていたことからお声がけいただきました。プロジェクトに取り組んでいくと、ある時織田(※1)さんが「もっと積極的にやりたいって人がいたら声かけてくださいね」と言っていて、その時に「やってみたいな」と思って声をかけました。この時から本格的にアプリ開発に取り組むことになりました。

元々ITには興味があり、企業探しの時にIT系の会社の説明会を見に行ったりもしていました。特に勉強していたわけではないので、最初に社長から声をかけられた時は「気にはなるけどできるかな」という不安なところが結構大きかったです。でも織田さんや杉山(※2)さんから、「簡単だよ!できるできる!」と声をかけられ、背中を押されたことで「やってみよう」と決断できました。

※1  織田ルミ(株式会社ジャパン・エンダストリアル)
※2  杉山純一(株式会社ジャパン・エンダストリアル)

開発できるようになると新しくやりたいことも見えた

ーーアプリ開発に取り組み始めて4ヶ月ほど経過しましたが、どんなアプリを開発してきましたか? 

私が主に開発したのは、「お弁当アプリ」です。注文するお弁当の数を自動で集計して、発注メールを自動作成して、私自身は送信ボタンを押すだけ、というアプリを作っています。元々は、「今日◯人が△サイズで…」というのを紙で集計して、お弁当屋さんに電話で注文していました。

お弁当アプリのイメージ
図1 希望登録・集計画面
図2 お弁当のメニュー
図1左上「メニュー」アイコンから、当日のメニューを閲覧することができる

開発を始めたのは、社内に「何か不便なことはありますか?」と聞いた時に、事務の先輩から「お弁当の発注もう少し簡単にならない?」というお話をいただいたからです。前からあった身近な課題でした。
開発を進めるうちにアプリの形は変わっていった。最初は「メールの自動送信機能」は予定になく、「集計がもっと便利になったらな」くらいだったので、やりながらさらにこうしたい!という気持ちが生まれてきました。

「聞きなれない言葉」に慣れることが難しかった

ーーアプリ開発で楽しかったことと難しかったことを教えてください。

聞いたことはあるけど難しそうだなと思っていたアプリ作りに触れられて、知識も少しずつ増やすことができたのがすごく楽しかったです。
難しかったことは、聞き慣れない言葉が多かったことです。杉山さんや織田さんが話している言葉だったり、関数の文字だったり、一瞬考えて「これのことか!」と思い出すことは結構多かったです。

――始めるときに「簡単だよ」と言われていたそうですが、実際にやってみていかがでしたか?

もちろん半信半疑な部分はありましたし、実際難しかったし簡単ではなかったけど、「やろうと思えばちょっとできるんだ!」と少し希望を持てました。教えてもらっている間もすごく褒めてくださるから、心が軽くなってやりやすく感じました。

仕事のスケジュールを調整して隙間時間を活用する

ーー通常の業務に加えて学びの時間も必要だと思います。どのように勉強時間を確保してきましたか?また、勉強の工夫はありますか?

勉強は、お昼休みやたまに自宅に帰宅してからの時間にすることもあります。事務職ということもあり、自分でスケジュールを調整できるので、隙間時間を作ったりして勉強する時間を作ってきました。
学びの工夫としては、教えてもらっている中で、よくわからなかった単語はメモしておいて後で調べるようにしています。調べても難しく書いてあってわからない時は、織田さんや杉山さんに聞いたりしています。

「難しそう」から「やってみてもいいんじゃないか」と思えるように

ーー現在では1つのアプリを開発して運用できるようになましたが、取り組み始めた時と現在の心境を教えてください。 

ファミレスに行った時に、タブレットで注文する時の画面を見て「これどうなっているんだろう」とか、「こうしたら動くんだったっけ」とか、またデザインを見たりとか、目線が変わったなと感じる部分は増えたと感じます。
気持ちの面では、やっていくうちに希望が見えてきたこともあり、「やってみたかったけど難しいんだろうな」という気持ちから、「やってみてもいいんじゃないか」と思えるようになってきました。最近ではIT関係やPower Platformの資格を見てみたり、Microsoft公式の動画を見たりするようになってきました。

今後は「会社全体の人が使えるアプリを作りたい」

ーー最後になりますが、今後の目標を教えてください。

資格を取るということにも挑戦してみたいですが、会社全体の人が触れるアプリを作りたいという気持ちがあります。お弁当アプリは基本的に事務の人しか使いませんが、今はお弁当アプリがある程度終わって次のアプリの開発に取り組み始めています。次は「図面管理アプリ」などを開発していて、これらは現場の方や社員さんなど全員が使うアプリになります。初めての方と会話するのは苦手ですが、話さなければいけない環境にいられることはありがたいなとも思うので、コミュニケーションを取りながら頑張っていきたいです。

メンターコメント

織田ルミ
DXコンサルタント

副島さんは吸収が早く、上昇志向のある方だと思います。最初に手を挙げて「やってみたい」と言ってくれたこと、とても嬉しかったです。内田精研さまは、とても温かい会社で社員の方が安心して働ける環境だなと感じています。アプリは、一方から見て開発したものは使ってもらえません。必ず多方面から見て作っていくことが大切です。安心して働ける環境だからこそ、たくさんの人の気持ちや想いに寄り添うことで、より様々な角度からものを見る視野を養ってもらえたらと思います。
これからも挑戦してみたいことがあったらぜひ教えてください。一緒に挑戦しましょう!今後業界で、副島さんが有名になっていくのではと思っていますので、期待しています。

最後に

今回は、IT未経験で新卒からアプリ開発に挑戦する副島さんの事例をご紹介しました。人手不足が深刻化してきている現在、ITが得意な人材を採用することは非常に難しいでしょう。一方、内田精研有限会社では、向上心があり意欲的な若手人材を育成することで、IT人材として成長しつつあります。社員を育成することで、社内事情に詳しく貴社に最適なデジタル化を実行できる人材を獲得できます。

デジタル化やDXに、社内IT人材の育成から始めるという選択肢もご検討されてみてはいかがでしょうか。